GWに入る少し前に、極東ロシアのタイガ(密林)で暮らす人たちのドキュメンタリーフィルム、『タイガからのメッセージ』を観てきました。
ネコ科の大型肉食獣が大好きな私は、映画のポスターから勝手にアムールトラの映画かと思い込んでいたんですが、実際にアムールトラが出て来たのはほんの数秒間。 後から聞いた話では、最初はトラを撮るつもりはなかったそうですが、撮影を進めていくうちに「トラも撮りたいよね」ということがきっかけで撮ったのだとか。 トラはほとんど登場しませんでしたが、それでも映画の内容は私が想像していた以上のものでした。 目の前に広がる、どこまでもどこまでも続く緑。 日本からそう遠くない極東ロシアに、ほとんど手つかずの自然の中で人々が暮らしているということも驚きでした。 ここタイガに住む原住民、ウデヘの人たちは狩猟を中心とした昔ながらの生活を今でも守っています。 緑豊かな土地ですから当然森林伐採の問題も出てくるのですが、そんなとき彼らは自ら全力で森を守ります。 ウデヘの人たちにとってタイガは彼らに必要なものをすべて与えてくれる、お金よりもずっとずっと大切なもの、そしてそれ無しでは彼らの生活は成り立たないということを、彼らは知っているのです。 彼らは狩りに出かけても、今日必要な分しか獲物を捕りません。 明日必要なものは、明日になれば与えられる。 遥か昔からのタイガとそこで暮らす生き物との約束を彼らは今でも守っているのです。 そのお陰で、タイガでは今でも40頭のトラと1000人の人たちが、お互いの領域を守りながら共生しています。 この映画を観る前に、ロシアの作家であるニコライ・バイコフの書いた『バイコフの森』と『偉大なる王(ワン)』というタイガを舞台とした本を読んだのですが、バイコフ氏は中国人による動物の乱獲や森林伐採によってタイガの自然が破壊されることをあとがきの中でとても危惧していました。 実際に中国側のタイガは悲惨な状態らしく、この地域で確認されているトラの90%はロシア側に棲んでいるとか。 生態系が崩れれば、それは私たち人間に何倍もの悪影響となって返ってくることを、なぜ人は学ばないのでしょう。もしかしたら人間はこの地球上で最も愚かな生き物なのかもしれません。 。。。とちょっと過激になってしまいました。 『タイガからのメッセージ』はこの地球で生きて行くということがどういうことなのか、私たちに必要なものは何なのかを教えてくれる作品です。 今後も不定期で上映されると思いますが、興味がある方は上映が決定している5月・6月の上映会に是非お出かけください。 タイガからのメッセージ
by livingwithcats
| 2012-05-06 10:10
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